近年、ぜん息の発作で緊急受診したり、入院したりする子どもさんは激減しているように見えます。1歳前後でゼーゼーする患者さんは必ずしも少なくありませんが、小学生以上の患者さんで総合病院に入院をお願いすることは、年に1回あるかないかです。
本当に一昔前と時代が変わりました。この状況の変化は非常に喜ばしいことです。やはり、吸入ステロイド薬の登場が大きいのだと思いますが、あと、治療の開始が早くなっていることも注目すべき点として挙げたいです。
自院の患者さんにしても、他の病院で治療を受けている患者さんを見ても、共通しているのは、比較的早期の段階でロイコトリエン受容体拮抗薬(オノン・シングレア・キプレス)の内服を開始されています。この薬を内服することによって、ぜん息にならずに済むというわけにはいかないでしょうが、少なくとも重症化を防いでいることは間違いないように見えるのです。