今回の改訂では、新たに食物経口負荷試験(OFC)の定義が示されました。
「食物経口負荷試験(oarl food challenge, OFC)は、アレルギーが確定しているか疑われる食品を単回または複数回に分割して摂取させ、症状の有無を確認する検査である。」
前回のガイドラインまでは、単回の試験的な摂取は食物経口負荷試験(以下、負荷試験)とはみなさないということになっていました。今回の見直しで、負荷試験の幅が拡がったわけです。
単回負荷のメリットとデメリットは何でしょうか?
まず第一には、安全性が挙げられます。症状が出にくいと予想される少量を1回だけ負荷すれば、アナフィラキシー誘発のリスクは軽減されます。また、複数回の負荷試験と比較して、時間や手間もかかりません。
一方、単回負荷試験後の食事指導については注意を要します。
よくある事例としては、「牛乳1.0mLの単回負荷が陰性で、明日から自宅で1.0mLを飲んで良いです。」という誤った(?)指導があります。たった1度だけ1.0mL飲めたからといって、もうその量の摂取は安全で問題がないとはいえないわけです。ましてや、「1.0mLから飲み始めて、その後は、自宅で少しずつ増量して下さい。」などという指示は、少なからず危険をはらんでおり、避けるべきでしょう。