花粉症の患者さんでは、日中にスギ花粉に曝露されてくしゃみ、鼻水が出現し、夜間に鼻閉(鼻づまり)がひどくなってくるということになっています。
しかし、実際には夜間にも、くしゃみや大量の鼻水、痒みなどでつらい経験をすることが多く、これは外出して髪の毛や衣服に付着した花粉を家の中に持ち込んだためと考えられてきました。
耳鼻咽喉科の先生の花粉症関係の講演を拝聴し、興味深い内容に触れることができました。ある研究によれば、抗原(スギ花粉)のない状況の遅発相で鼻粘膜局所においてヒスタミン*の上昇が認められ、活性化した好塩基球の増加が確認されたということでした・・・。
簡単に言えば、夜間にくしゃみや鼻水が出るのは、家の中に持ち込んだ花粉の影響だけではなく、日中に曝露された花粉の影響が数時間後(遅発相)に現れるためかもしれないということです。「家の中に持ち込んだ花粉」と「日中に曝露された花粉の影響」のどちらがどれくらいの割合で関与しているのかはよくわかりません。花粉症もなかなか奥が深いです。
ヒスタミン:くしゃみ、鼻水の原因となる化学伝達物質