16~18日の連休中はアレルギー関連の学会(日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会)に参加するために久しぶりに甲府に行ってきました。甲府は私の出身大学や妻の実家があるところであり、それなりの縁がある場所なのです。
アトピー性皮膚炎のシンポジウムでは、フィラグリン遺伝子異常を原因とする皮膚バリア機能障害が最も興味深い話でした。フィラグリンとは、皮膚の表皮の細胞に含まれる成分で、最終分解産物が天然保湿因子(NMF)となるので皮膚のバリア機能保持に重要な要素となっています。2006年、イギリスで、このフィラグリンの遺伝子の異常がアトピー性皮膚炎の約1/3から半数に見られたと報告されました。日本における調査ではアトピー性皮膚炎の27%に異常が見られると報告されています。
もちろん、アトピー性皮膚炎には、遺伝子だけでなく、環境も関係しています。遺伝子異常で皮膚のバリア機能が低下し、そこへアレルゲンが侵入し、アトピー性皮膚炎のアレルギー性の炎症が進んでいくのです。やはり環境整備は重要と考えられます。
もう一つ甲府で楽しみにしていたことは、地元のアレルギーの患者会の方々と座談会をすることでした。お休み中にもかかわらず(私の記憶に間違いがなければ)8人も集まってくださり充実した時間を過ごすことができました。こういう経験はいくらあってもよいものです。学会と座談会と2か所で勉強させていただきました。ありがとうございました。(写真は甲府の夜景です)