食物アレルギーの患者さんがアレルギー食品を除去する場合は比較的迷いが少ないと思われます。「栄養面が心配」とか、「他の子どもと同じ物を食べさせてあげたい」などの悩みはあるでしょうが、症状が出てしまう食品はとりあえず除去するしかないわけです。むしろ保護者の方が最も苦労するのは解除の段階ではないでしょうか。除去食物を解除していくタイミングや方法がわからないということです。鶏卵や牛乳のアレルギーで言えば、3歳で50%、6歳で80%くらいの患者さんが治っていきますが、これはあくまでも目安です。一部には、小学生になっても未だ食べられないようなお子さんもいるのです。したがって、一律に「3歳くらいになったら自宅で少しずつ食べさせてみなさい。」のような指導は危険であり避けなければいけません。これまでの病歴や血液検査(特異的IgE値)の結果などを参考にしながら、最終的には食物経口負荷試験という方法を用いて解除にトライするべきでしょう。