「アナフィラキシーは起こさない方がよい」
当たり前のようなタイトルです。
これから4月になると園や学校でのエピペン講習会の機会が増えてきます。
そこではアナフィラキシーを起こさないようにするための配慮や、実際に発症してしまった場合の対応が学ばれます。ずばり、アナフィラキシーは危険な症状ということになっているわけです。
一方で、我々医師は、そのアナフィラキシーに対してどのように向き合ってきたでしょうか?
『大切な検査や治療だから、アナフィラキシーが発症しても仕方がない』
みたいな考えはないはずであると信じたいですが・・・。
私はここ数年の自分自身の講演会で何回も訴えてきました。
「アナフィラキシーが起きたら、アドレナリンを打てさえすればそれで良いみたいな考えは捨てるべきではないか」と・・・。
昨年から、食物アレルギーにおける検査や治療での重篤な症例が問題となっています。ここはいよいよ転換期に差し掛かっていると考えたほうが良いのではないでしょうか。無理な診療は、身体的な危険性はもちろんのこと、心の傷(トラウマ)をも生み出すおそれがあるのです。
今後の食物アレルギーの診療が、より優しい方向に進むことを期待します。