吸入ステロイド薬等の優れた薬剤の登場により気管支喘息の症状コントロールが以前と比較して容易になってきましたが、いざ、病気を「治す;cure」ということを考えた場合、まだまだ新たな治療戦略が必要になってきます。
近年、アレルギーの根本的な治療として再び見直されるようになってきたものとして、抗原特異的免疫療法(減感作療法)があります(2008/8/19、2009/2/23)。この治療法は、アレルギーの原因となっている物質(抗原;アレルゲン)を低濃度・少量から皮下に注射し、徐々に高濃度に上げていき抗原に対する過敏性を減弱させていくものです。この治療法の最大のメリットは、単に患者さんの症状を軽くするだけではなく、時には病気そのものを治す方向に働くということです。
今後は、安全で確実な減感作療法の方法はどういうものか、どのようなアレルギー疾患にどのようなタイミングで施行すれば有効なのか、などについて明らかにされていくことが期待されます。