アトピー性皮膚炎の患者さんでは、まぶたに湿疹が生じやすく進行するとまぶたが厚くなったり閉じにくくなったりすることがありアトピー性眼瞼炎と呼ばれています。まぶたは、身体の中でも皮膚が薄い部分なのでバリア機能が乏しく(2008/07/16・22)湿疹が生じやすいのです。また、アレルギー性の結膜炎を合併している場合は、眼のかゆみが強いためにアトピー性眼瞼炎をより一層悪化させてしまうことになるでしょう。
アトピー性眼瞼炎のかゆみを取り除こうとして、まぶたをこすったり、叩いたりするような行為が長期間に及ぶと、白内障・網膜剥離などのたいへん重い眼の合併症が発症する危険性があるので注意が必要です。白内障に関しては以前はステロイド外用薬の副作用と思われていましたが、よく調べてみるとステロイド外用薬を使用している患者さんというよりもむしろアトピー性皮膚炎自体が重症な患者さんに白内障が多く発生していることがわかりました。ステロイド外用薬を忌み嫌うよりもしっかりと湿疹の治療をした方がよいのです。