喘息の患者さんの気道(空気の通り道)は過敏であり、周囲のちょっとした刺激に対して反応し、咳や息苦しさを生じやすいというお話をしたと思います(2008/09/25)。しかし、喘息の患者さんが咳をしている場合に、その全てが喘息を原因としているとは限りません。喘息患者さんだって普通に風邪をひくこともあるでしょうし、さらに注意すべきなのは鼻からの影響で咳をしている場合が少なくないといことです。具体的には、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻疾患であり、患者さんを診る場合にこれらの疾患にも注意していかなければいけないと思っています。さもないと、いたずらに喘息の薬ばかり増えてしまうことになり患者さんに不利益が生じます。「鼻の治療をしたら咳がピタリと治まった!」ということはしばしばあるのです。『せき(咳)』は外来でよくみかける症状ですが、意外と奥の深い症状なのです。