患者さんは、「喘息の重症度」というと何をイメージするでしょうか。発作が軽いとか重い(ひどい)とかそんなことを思い浮かべるのではないでしょうか。一般には喘息の重症度と言えば、その患者さんの喘息の程度がどのくらいであるのかを指し、ある期間にどの程度の喘息症状が、どのくらいの頻度で起こったかを指標にして判定されます。軽い症状が稀にしかみられない場合は「間欠型」と判定され、ゼーゼーするような症状が頻繁に(少なくとも月に1回以上)みられる場合は「持続型」と判定されます。
喘息の患者さんを診ていく上において、この重症度を考慮した治療管理は非常に重要です。医師は重症度判定をきっちり行わなければ、正しい治療選択が不可能になります。また、患者さんは、医師に重症度をしっかり説明されていないと、治療を継続する必要性を理解することができなくなります。特に、既に喘息の治療薬を使用している場合、見かけ上は症状がなく落ち着いているように見えても、重症度としては軽くない場合があるということをしっかり理解していただく必要があります。つまり、薬を使っているから何でもないように見えるだけであり、薬を使わなければならないくらいの段階はすでに軽くはないんだということを理解してほしいのです。