赤ちゃんから大人まで幅広くアトピー性皮膚炎の患者さんを診療
させていただいていると、「アトピーで入院したことがある」という
患者さんがときどき受診されます。けっこういらっしゃるのです。
入院して、いったんは皮膚に状態が良くなったけれども、数年したら
また元に戻ってしまった、いや、もっと酷くなってしまったという方もいます。
結局、本当の意味で「治っていはいない」ということなのです。
緊急避難的に入院しなければならないというのならわかります。
赤ちゃんの低蛋白血症で命の危険性があるとか、皮膚感染症で敗血症を
起こしているとか、・・・・、そういうリスクの高い状況でやむを得ず入院治療を
選択しなければならないというであれば仕方がないかもしれません。
喘息で言えば、大発作で入院するようなものです。
しかし、私は、いわゆる教育入院という方法は、あまり賛同できません。
患者さんが自分で軟膏を塗ることができないからそれを教え込むために入院させる
というのは、その時には皮膚状態は改善するかもしれませんが、退院して時間が
経てばまた同じことの繰り返しになってしまうのです。まあ、一部、教育効果のある
患者さんもいるかもしれませんが・・・・・。
慢性疾患においては、医師は一人の患者さんを長く経過を追うべきであると考えます。