アナフィラキシーショックでは、血液量が減少しており、心臓は何とか頑張っている状態です。このような状態で急激に立位や坐位をとると“心臓に血液がない”虚脱心臓となり突然死を起こす危険性があります。
このような理由から、アナフィラキシー時には仰臥位で下肢挙上の体位(ショック体位)が強く勧められます。血圧低下の徴候がみられたら、ただちに下肢を挙上することが重要です。この操作を行うことにより、約500mL以上の生理食塩水を輸液したのと同等の血液量を心臓に送ることができるそうです。
一昨年の調布市の死亡事故においても、「おんぶ」でトイレに連れていったこと、「便座に坐らせた」ことは、適切な対応とは言い難いです。