「食物アレルギーの診療の手引き2017」に以下のような図(フローチャート)があります。
注目すべきは、図の左側の「総負荷量少量で陽性なら完全除去」という部分です。
この手引きにおける総負荷量少量とは、鶏卵なら加熱全卵1/32個相当、牛乳なら3mL相当、小麦であればゆでうどん2~3g
くらいまでを指します。
わかりやすく言い換えるなら、”牛乳の食物経口負荷試験で3mLくらいまでの量で症状が出てしまった患者さんは、完全除去を
続けて下さい”ということです。
「こんな少量で症状が出てしまう患者さんに食べさせることは危険である」
「こういう患者さんに食べさせることは経口免疫療法に相当するものと考えられ、研究段階である」
「完全除去を避けて低年齢で摂取を開始すれば早期に寛解を得られるなどというエビデンスはない」
これらが学会の見解であると思われますし、確かにその通りなのかもしれません。
しかし、食べていない方がかえって危ない可能性もありますし、少量で症状が出てしまう患者さんほどむしろ早期に摂取を
開始すべきなのかもしれないのです。
というわけで、食物経口負荷試験の結果により食べる食べないを決定するのではなく、
”食べていくためには、どのような食物経口負荷試験ができれば良いか?”
みたいな発想は持てないのでしょうか?