本年4月に、アレルゲン免疫療法薬の治療用ダニアレルゲンエキス皮下注が発売されました。適応は、ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎、気管支喘息に対するアレルゲン免疫療法です。
アレルゲン免疫療法、いわゆる減感作療法は、原因アレルゲンを少量から継続して投与することによりアレルゲンに対する免疫学的な耐性の獲得を目的とした治療法です。国内外の診療ガイドラインでは、鼻炎や気管支喘息などのアレルギー性疾患を根治または長期寛解させることが可能な治療法として位置づけられています。
日本においては、以前からダニアレルゲンエキスの代わりにハウスダストエキスを皮下注射する方法が用いられてきました。しかし、ハウスダストにはダニ以外の成分も含まれておりダニ成分の含有量が不確かであることから、医師の間ではダニエキス自体を主成分とする注射薬の早期開発が望まれていました。
「アレルギー専門医であれば標準化ダニエキスの皮下注射による有効かつ安全な減感作療法を自ら体験すべきである」などという話もあるようですが、近々ダニの舌下免疫療法薬も登場してくるような状況において、わざわざ注射を選択する医師や患者さんはあまり多くないのではないかと思われます。
もっと早く発売していただけたら・・・。