同時通訳つきの教育講演に2つ参加しました。
食物アレルギーでは、米マウントシナイ医科大のScott H.Sicherer先生の講演を拝聴しました。1日目は食物アレルギー児の社会生活上のリスク回避について、そして2日目は母親の妊娠中、授乳中の予防的除去に関する総説でした。
米国では、いったんアレルギーを発症してしまった場合は、いかにしてアナフィラキシーを防ぐかということに焦点が当てられているようでした。いわゆる免疫療法については日本の方が研究が進んでいるようです。
免疫療法の第一人者であるStephen R. Durham先生の講演も楽しみにしていました。古典的な手法である皮下注射の免疫療法に始まり、わが国でも認可間近と思われる舌下免疫療法、さらには経皮投与、皮内投与、リンパ節投与等についても紹介されました。最後に「アジュバント」について、つまり、いかにして抗原性を増強し免疫療法の効果を高めるかについての話がありました。
私もスギ花粉エキス(ワクチンと呼ぶ方が望ましいようです)を用いた皮下注射免疫療法を20名くらいの患者さんに実施していますが、約8割の患者さんに満足していただいております。舌下免疫療法にも期待しています。