今回の学会では、「開業医だからできるアレルギー診療」というワークショップが企画されました。
学会抄録にも、『アレルギー疾患をもつ小児は増加しており、まず多くは専門医ではなく、アクセスしやすい診療所を受診する。かゆい湿疹、感冒時の喘鳴、何かを食べてのじんましん・・・。開業医こそが、日常診療の場面でアレルギー疾患を最初に診断し、知識のない当惑した保護者に十分に説明して安心してもらい、早くから適正な治療をすることにより重症化せずに安定に持ち込むことができる。』と述べられています。
このワークショップの中で、私は「乳児アトピー性皮膚炎の治療と管理」というタイトルで講演させていただきました。要旨としては、診断があいまいな症例が少なくないこと、塗り薬の使用法やスキンケアについての具体的な指導が重要であること、乳児期の湿疹の存在がその後の食物アレルギー発症のリスクとなり得ることなどが挙げられます。
学会中のいくつかの講演において、アレルギーマーチの予防・進展阻止における乳児アトピー性皮膚炎の治療介入の重要性が指摘されていました。私の講演も同様の思いでお話ししたつもりですが、十分に役目が果たせたかどうか・・・。
さらなる努力を重ねていく覚悟でおります。