乳児のアトピー性皮膚炎では生後2-3ヵ月からはじまる頭や顔の湿疹が特徴的です。赤ちゃんの顔は、よだれや食べこぼし、涙、汗などの様々な刺激を受けており、湿疹がしつこいものとなり得ます。そもそも、顔の皮膚は薄く、傷みやすいとも言えます。
特に口の周りの湿疹には治療に手こずる場合があります。「顔にはステロイド外用薬は使用すべきではない」などと指導する医師がいまだに存在しますが、ステロイド外用薬を使わずに口周囲の湿疹を速やかに改善させることは至難の業でしょう・・・。
治療のコツとしては、1)Ⅳ群のステロイド外用薬(キンダベート・ロコイド・アルメタなど)を頻回に塗る、2)汚れたらタオルでごしごしふき取るよりも、洗い落した方がよい、3)授乳(食事)前に口の周りにプロペト(ワセリン)を塗っておき皮膚を保護する、などがあります。
やはり、「頻回塗布」がコツであり、常識的な塗り方である1日1-2回の塗布ではなかなか湿疹は改善しません。赤ちゃんは顔をお母さんの胸に擦りつけたりするのでせっかく塗った軟膏はすぐにとれてしまうのです。重症度にも依りますが、少なくとも1日に5-10回くらいの反復治療が奏功するのです。湿疹が見えている限りは何回も塗り、一気に治すことが重要です。