喘息患者における喫煙は、タバコを吸う本人の肺機能を低下させ重症度を上げるばかりか、受動喫煙にさらされる患者の発作を誘発する危険性もあります。
そんなわけで、小児の喘息患者さんを診ていくとき、父親や母親の喫煙があると非常にやっかいなことになるのです。タバコの煙の有害性には計り知れないものがあり、両親に禁煙していただかないとなかなか喘息児の症状をコントロールすることは難しくなります。喫煙は、吸入ステロイド薬の反応性を低下させることも知られており、まさに百害あって一利なしと言えるのです。
ただ単に、「タバコを止めなさい」と言ってもダメなので、「喘息が悪化しますよ」とか、「肺の機能がいっそう低下しますよ」、「喘息死の危険性が高まりますよ」、「お薬(吸入ステロイド薬)の効果が出にくくなるんですよ」などと説明していますが、この分野(喘息と喫煙)についてもっと詳しく勉強しないと喫煙者には太刀打ちできないと感じています(汗)。とにかく、何とかして喫煙から喘息児を守りたいと思います。