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給食アレルギー事故 報告書まとまる
去年12月、東京・調布市の小学校でチーズなどにアレルギーのある女の子が給食を食べたあとに死亡した事故で、市教育委員会の検証委員会は事故の原因について、学校の教職員の情報共有が不十分で、危機管理意識が欠如していたなどとする検証結果をまとめました。
調布市の富士見台小学校では、去年12月、チーズなどの乳製品にアレルギーのある5年生の女の子が、給食のおかわりとして担任の男性教諭からチーズ入りのチヂミを誤って手渡されたあと、ショック症状を起こして死亡しました。
医師や弁護士などからなる検証委員会は、事故の原因や再発防止策について検証を進め、このほど報告書がまとまりました。
報告書では、事故の原因について、どの料理を食べてはいけないのか、調理員が女の子にはっきりと伝えていなかったうえ、担任も専用の書類で確認を怠ったと指摘しています。
また、担任や養護教諭がショック症状を和らげる注射をせず、初期の対応を誤ったなどとして、教職員の情報共有が不十分で危機管理意識が欠如していたと指摘しています。
そして、再発防止策について、保護者、栄養士、養護教諭、校長などがあらかじめ面談し、詳しい症状などについて情報の共有を徹底するほか、教職員全員がアレルギーへの理解を深める取り組みを強化するなどとしています。
さらに、学校給食でアレルギー事故を防ぐための具体的なマニュアルを国が率先して作成するよう求めています。
検証委員会は、12日、この報告書を教育長に提出することにしています。
今回の報告書について、食物アレルギーのショック症状で亡くなった女の子の両親は、「事故の背景には、学校現場だけでなく、文部科学省や教育委員会も含めて学校給食でのアレルギー対策の意識の低さがあったのは明らかです。事故を繰り返さないため、国や教育委員会がどのような対策を取るのか、今後も見守り続けます」と話しています。