ピーナッツ(マメ科)は微量の摂取で重篤なアレルギー症状を引き起こすことがあることで知られています。その他、ナッツ類(木の実類 tree nuts)にも強い症状を起こすものがあり、カシューナッツやクルミの摂取でアナフィラキシーを起こす患者さんは少なくありません。
先日、ある患者さんがカシューナッツ入りのクッキーを初めて摂取して全身蕁麻疹が出現しぐったりするというエピソードを引き起こしてしまいました。鶏卵アレルギーを有する患者さんでしたが、ある種の鶏卵含有クッキーの摂取は可能でした。その日に限って、私が指定していないカシューナッツ入りのクッキーを選択してしまったのです。保護者の方もびっくりです。
オーストラリアでは、小児のカシューナッツによるアレルギー症状の74%がアナフィラキシーであり、ピーナッツの30%よりも高いことが報告されています(Arch Dis Child 2005;90:1084–1085.)。ピーナッツアレルギーの方が患者さんの数は多いけれど、カシューナッツの方がアナフィラキシーの発症率が高いという結果です。また、この論文においては、皮膚症状を伴わないナッツ類のアナフィラキシー患者さんが20-30%存在したことも示されていました。呼吸器症状だけとか、呼吸器症状と消化器症状とか、そんな症状の患者さんです。蕁麻疹ばかり注目しているとダメということです。
カシューナッツは、希釈して(薄めて)実施した皮膚テスト(プリックテスト)でもアナフィラキシーの報告があり要注意です。