前回の続きですが、ステロイドを使用する標準治療に相対するものとして
”脱ステロイド療法”なるものを挙げることができます。
そして、ステロイドを忌み嫌い脱ステロイド療法にすがるような患者さんたちは
”Steroid Phobia(ステロイドフォビア;ステロイド忌避症)”と呼ばれたりしてきました。
ステロイド依存(steroid addiction)とか、ステロイド離脱症候群(steroid withdrawal syondrome)
とか、Red skin syndrome、ステロイド皮膚症、リバウンド等々、様々な表現をされてきましたが
、要するに「ステロイドを塗れば湿疹が改善するが、中止すると再び悪化する」、「ステロイドを
使えば使うほど皮膚バリアは壊れていく」、「結果的に、ステロイドが止められなくなる」という
主張に基づくものなのではないかと思われます。
これまで学会は、ステロイド依存などというものは存在しないという見解を示してきました。
実際はどうなのでしょうか? やはりこういうことを明らかにしておかないと患者さんは
もちろんのこと医師でさえも安心してステロイドを使うことができないのでは?
そんな中で、ついに「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」において間接的にでは
ありますが、ステロイド依存(steroid addiction)について記述されたのです。(続く)