食物アレルギーの信頼性の高い診断法である食物経口負荷試験(以下、負荷試験)は、10年前ほど前と比べるとかなり普及してきたように見えます。まだまだ地域によっては十分とは言えないかもしれませんが・・・。
2005年は、「 食物アレルギー診療ガイドライン2005」(日本小児アレルギー学会)「食物アレルギーの診療の手引き2005」(厚生労働省研究班)の2つが発刊され、食物アレルギーの診療に大きな前進がみられた年であったのを記憶しています。ちょうどこの2005年から2010年くらいの時期に
負荷試験実施施設が急増したのではないでしょうか。
最近になって感じるのは、負荷試験そのものよりも、むしろその結果を踏まえた食事指導の問題です。負荷試験陽性で除去続行となるのか?、それとも少しは食べていくのか?、少しとはどれくらいの範囲を指すのか?などです。
負荷試験の方法も変化してきているかもしれません。限界まで負荷して強い症状が誘発されてしまえば、患者さんも主治医もひるんでしまい、除去続行という考えに落ち着いてしまうでしょう。そんなにたくさんの量を負荷しなくても良いのかもしれません。文字で表現しにくい部分なのでこれ以上はコメントしません・・・。
2g以下、2mL以下などの少量で強い症状を呈してしまう患者さんは、どうすれば良いのでしょう?
普通に考えれば「重症」という分類で除去続行という判断になるのかもしれませんが、それで良いのでしょうか?こういう患者さんは、除去を続けるほど、年齢が上がるほど、むしろ過敏状態が高まり、高いリスクを背負ってしまうなどということは無いのでしょうか?
まだまだわからないことが多くあるわけですが、一部の専門医は感じていると思います。
「とにかく、低年齢のうちからほんの少しでもいいから食べさせておく。重症化させないためにも。」
*患者さんが自己判断で食事摂取を進めることは危険です。注意してください。