先週はほとんど「花粉症外来」と化していました。患者さんにはつらい日々であったと思います。診療の中で感じたことをいくつか挙げてみます。
①今年は花粉の飛散量が多くいくつかの薬を組み合わせてもなかなかきついですね。重症の患者さんでは十分に症状が改善しないかもしれません。
②その中でも、初期療法(2009.1.30参照)を行った患者さんや、アトピー性皮膚炎・通年性アレルギー性鼻炎などをもっていてずっと薬を内服している患者さんなどは、症状がひどくなってから薬を開始した患者さんと比べて明らかに症状が軽いようにみえます。やはり、初期療法は効果があるんですね。
③「抗原回避」の重要性について改めて認識していただきたいと思います。やはり、スギ花粉が眼や鼻の中に入って症状が出るわけですから、できる限りその侵入を防ぐということが基本なのです。どうしても薬に頼ってしまいがちですが、花粉を浴びない事が一番です。今年のような飛散量が多い年ではなおさらです。
④毎年のことですが、眼の症状(強い痒みなど)には苦労します。眼の症状が強い患者さんは眼科の先生に診ていただいた方がよいでしょう。
⑤3月3日のブログでも書きましたが、減感作療法施行中の患者さんは症状が軽いようにみえます。問題は、よく効いている患者さんとあまり効いていないような患者さんがいること、何をもって「効いている」と評価できるかということです。
⑥女性では外陰部が痒くなることがあります。今年も数人の患者さんが訴えています。スギ花粉症の時期にこのような症状が出現することを知らない患者さんは多いようです。