喘息がある人は喘息がない人に比べて経年的な肺機能の低下が著しいとされています(喘息がない人も年をとれば少しずつは肺機能が低下していきます)。肺機能とは息を吸ったり吐いたりする能力のことであり、眼で言えば視力、耳で言えば聴力に相当するものだと考えればわかりやすいでしょう。とにかく、喘息患者さんの肺機能を調べたり、肺機能が悪化しないように治療したりすることは重要なわけです。
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)においても小児の喘息の治療目標として、「肺機能がほぼ正常」という項目が挙げられています。ところが、日常の一般診療では肺機能検査(スパイロメーターなど)があまり普及していない現状があります。喘息患者さんの肺機能の低下を最小限に食い止めることは喘息診療の究極の目標の一つなので、肺機能の評価にもっと関心が払われるべきだと思います。