「生後2-3か月の頃、ほっぺた・あご・くびなどにちょっとだけ湿疹があった」
*乳児のアトピー性皮膚炎はこのような感じで始まります。
*よく見ると生後1か月くらいの段階で症状が出始めていることが多いです。
「特に、痒がっていなかった」
*本当に掻いていなかったのか?という問題なのです。
単に、見逃している(見逃していた)というパターンが少なくありません。
*母親に「掻いていますか?」「痒がっていませんか?」と質問すると
たいていは「掻いていません」「痒がってはいません」となってしまいます。
*問診の方法を変えなければダメですよね。
「顔や頭に手がいきませんか」「お母さんの服や布団に顔をこすりつけたりしませんか」
「ムズムズしていませんか」「両足をすり合わせたりしませんか」「眠りが浅くないですか」
など、しつこく尋ねる必要があります。
*母親が『痒がっています』という時は、もうかなり悪化している段階なのです。
「近くの小児科・皮膚科では乳児湿疹と言われた」
*まあ、およそ95%は乳児湿疹と言われると思っていた方が良いかも・・・・。
*その他、”3歳まではアトピーの診断はできない”とか、”1歳くらいになると自然に良くなるから
アトピーとかそういうことは考えなくてよい”とか、いろいろなことを言われるかもしれません。
もちろん、すべて間違い(誤り)です。
「弱めのステロイド軟こうを処方され、数日塗ったらすぐに治った」
*これが一番危険です!
こういう塗り方では食物アレルゲンの経皮感作を防ぐことはできません。
*全身的に寛解導入を行い、少なくとも離乳食が開始されるまではプロアクティブに塗ることが
必要です。食物アレルギーは防げるのです。