「吸入ステロイド薬」・・・。すごい薬剤です。
喘息の基本病態である気道の炎症をおさえる効果が強力で、かつ副作用が少ないことから喘息治療の第一選択薬として位置づけられています。
以下の図は、ステロイド治療にを開始してからの気管支喘息の改善過程を示したものです。(Bates CA J Allergy Clin Immunol 111:256-262, 2003)
それぞれ、「FENO」が呼気一酸化窒素、「symptoms」が症状、「airflow obstruction」が気道閉塞、「BHR」が気道過敏性です。
治療開始後、順次各項目が改善していく様子がわかります。
比較的早い段階で症状がおさまり、患者さんは楽になります。一方、気道の敏感な状態(気道過敏性)が改善するスピードは、ゆっくりで、改善には半年以上かかることが多いとされています。
初期の強い症状がおさまると、吸入ステロイド薬の使用を勝手にやめてしまったり、忘れがちになる患者さんがいます。注意してください。