我が国における代表的なアレルギーの原因物質(抗原;アレルゲン)としてダニがあります。その中でも、ヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニなどのヒョウヒダニが特に問題となるダニです。また、これらのダニの生体よりも、死骸(しがい)や糞(ふん)の方がアレルギー性が強いとされています。ヒョウヒダニは、温度が約25℃、湿度が70~80%の環境がもっとも繁殖しやすいといわれています。最近はマンションなどの気密性の高い住居が増加しているため、ダニの繁殖に好都合の環境となっています。
ダニが関与するアレルギー疾患は、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎など多岐にわたるので、これらの疾患を治療・管理していく上で、ダニ対策を行うことは重要と考えられます。しかし、スギ花粉のように限られた季節に問題となる抗原は比較的対策が立てやすいですが、ダニの場合はどの季節に、どのような影響を及ぼしているのかがイメージし難く、患者さんにとって対策が取りづらい抗原なのかもしれません。
まずは、どんなダニが、どの場所に生息し、アレルギー患者さんにどんな影響を与えているのかを知ることが必要でしょう。
※アレルギー院内勉強会のお知らせ5月23日(土)14時から
「乳児期のアレルギー」
#顔の湿疹が、乳児湿疹かアトピー性皮膚炎か?
#顔にステロイド外用薬を使用してもよいのか?
#アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係は?
#離乳食をどのように進めるのか?
#アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの乳児は、後に喘息になりやすい?
などについてお話したいと思います。
申込み等の手続きや参加費は不要です。