アレルゲンへの感作(かんさ)が荒れた皮膚から成立し、それがアレルギーの発症につながるという「経皮感作」という経路が世界的に注目を集めています。
湿疹病変に小麦がくり返し付着することで小麦アレルギーになっていくのかもしれないということです。食べ物ばかりではなく、ダニや花粉なども経皮的に感作され得ます。
従来から、食べ物はアトピー性皮膚炎の主たる悪化要因なのではないかと悪者扱いされてきましたが、実際には、アトピー性皮膚炎が先にあって、そのような患者さんにおいて食物アレルギーが発症しやすいことがわかってきたのです。
それでは、(湿疹がある)食物アレルギーの患者さんはどのように考えていけば良いのでしょうか?
まずは、湿疹の治療を徹底的に行い、皮膚の状態を良好に保つことが重要です。食物アレルゲンの侵入経路をしっかりと断つことにより、食べられるようになる可能性を高めることが期待できます。そして、もう一つお話しておきたいこととして、食べ物を悪者扱いしないでいただきたいということがあります。食物アレルギーはあくまでも結果であり、元はといえば皮膚が悪かったのかもしれないのです。
*アトピー性皮膚炎を伴わない食物アレルギーもあるのでご了解下さい。