本年はスギ花粉の大飛散があり、スギ花粉症をお持ちの患者さんにとってはつらい年だったと思います。鼻水、鼻づまりなどどの症状も煩わしいものですが、毎年苦労する症状として眼の痒みがあります。
抗ヒスタミン作用がある点眼薬としては、パタノール点眼液がよく用いられており、この薬には抗アレルギー作用もあります。やはりステロイドの点眼薬が最も有効なのですが、眼圧上昇などの副作用があるため、小児科では処方しにくい薬です。眼科の先生に眼圧を測定しながら処方してもらうのが望ましいと思われます。
どうしても点眼薬に頼ってしまうところがありますが、眼鏡を用いて入ってくる花粉の量を減らす努力も重要です。今年は花粉予防用の眼鏡も売り切れ状態だったようです。
抗ヒスタミン作用のある点眼薬として、リボスチン点眼液という薬もよく処方されます。この薬の欠点として点眼液が眼にしみる感じがあったのですが、
浸透圧比が2.8~3.5から0.9~1.1に改良され涙液に近くなり、しみる感じがなくなりました。少し使いやすくなったと言えます。ただし、ある成人の患者さんの意見では、「眼の痒みが強い時は、ちょっとしみるくらいの方が刺激があってよい。」とのことです。好みの問題でしょう。