食物アレルギーの相談で受診された小学生の話です。
問診票には「喘息もあるけれど、調子は良い」と書かれていました・・・。
しかし、本人によく聞いてみると、「部活でたびたび発作が出るので十分に練習できない」とか、「布団の上で暴れるとすぐに咳込む」などの訴えがみられました。
私「実際は、あまり調子が良くないみたいですね。」
保護者の方「いつものことなので特に調子が悪いとは思っていません。」
今や喘息の治療目標は、症状が全く無く、スポーツを含めた日常の生活制限も無い状態を目指すものとなっています。ちょっとくらいゼーゼーしてもしょうがないというのは間違いです。
そこまで厳密に治療する必要があるのか?薬の使い過ぎになるのではないか?
と思う方がいるかもしれませんが、ちょっとした喘息症状が残っているということは気道の炎症が十分に治まっていないということであり、喘息を治すという最大の目標が遠のいてしまう危険性があるのです。
時には、治療をさぼっていても次第に症状が減少、消失してしまう患者さんがいたりして、喘息という病気の難しさを感じます。しかし、このような自然に治ってしまう例があるからといって治療をいいかげんにしてよいという結論には到底ならないでしょう。