外来で数多くのアトピー性皮膚炎(以下、アトピー)患者さんを診ると、
軽症アトピーの割合が多いことに気づきます。そして、それらの患者さんの
ほとんどがアトピーとは診断されていません。
中等症以上に悪化して、ようやくアトピーと言われる訳です。
もう少し、かゆみや皮膚のかさつき、肌に触れたときの質感に注目すべきです。
赤みやブツブツだけを見ていたら、十分な評価はできないのです。
思春期や成人のアトピー患者さんを診て、アトピーの長期経過を知ると、
簡単に治る病気ではないことがわかります。
適切な治療によって、皮膚の見た目が良くなり、かゆみを軽減させることが
できたとしても、病気そのものが治っている訳ではないのです。
入院加療してツルツルの肌になったとしても、10年後にどうなっているのか?
ということが重要なのです。